「ZOKEI賞 選抜展」とバッグのデザイン


東京造形大学付属美術館で「ZOKEI賞 選抜展」が開催中です(6月13日まで)。


2014年度の卒業制作から各専攻ごとに選ばれた作品が展示されていますが、
テキスタイルデザイン専攻は、山本遥さんの「しあわせのムク」が選ばれました。



作品は、自作の絵本「しあわせのムク」を発想の手がかりにしたプリントテキスタイルの連作(6m×110㎝ 8点)で、
その独創的なプリント模様の世界は、美術館の空間に特別な存在感を示しています。



大学が受験生に向けて各地で開催する大学説明会で、大学案内などの資料を入れて皆さんに渡すためのバッグがあります。
2015年度のバッグには、山本さんのデザインが採用されました。
緑色の生地に紫色でプリントした山本さん独特のスタイルの模様がすてきなバッグです。





タイトルは「はたけ」。
1m以上の生地幅いっぱいの原画を基に繰り返しプリントした布を裁断、縫製したバッグですが、
裁断は“適当”ですので、バッグごとに模様が違う・・・おしゃれで楽しいバッグです。



ここで歴代のバッグもご紹介しましょう。
テキスタイルの学生にデザインが依頼されたのは2012年度版のバッグからです。


2012年度は、2012年3月に大学院を卒業した井野若菜さんがデザインしました。
大学のキャンパスのイメージが井野さんらしい形にデザインされた横長のバッグで、表裏に模様が続いているのがおしゃれです。



井野さんの卒業制作「道がいっぱいの家」(440㎝×520㎝)は、生まれ育った家を中心にした風景のイメージを、自分のスタイルで表現した大作です。




2013年度は、2013年3月学部卒業の岩室勝也さんのデザインです。
得意なタッチを活かした模様を、明るいブルーの地にピンクでプリント。
印象的な配色と、マチのある使いやすいショルダーバッグが評判でした。



岩室さんの卒業制作は、シャツのパターンの中に動物を繊細なタッチで表したプリントテキスタイルの連作(4m×120㎝ 7点)で、タイトルは「柄パゴス」。
裁断、縫製したシャツ3点も制作、展示されました。





2014年度のバッグは、2014年3月学部卒業の吉田かな子さんがデザインしました。
吉田さんが卒業制作でも主題にした雑草がテーマで、モチーフはハキダメギク。
麻生地の材質感と優しい花の模様が一体化して、女子に人気のバッグでした。



卒業制作「雑草と、それにまつわる小さなはなし」は、ナズナ、オオイヌノフグリなど、道端の小さな草花たちを主役に据えたプリントテキスタイルの連作(5m×110㎝ 8点)で、
ひっそりと咲く草花たちに与えられた晴れ舞台です。



個性あふれるデザインのバッグ・・・毎年楽しみです。


バッグデザイナーたちの現在:
山本遥さん/本学の大学院に進学。
井野若菜さん/「炭酸デザイン室」を水野智章さんと設立。テキスタイルブランド「TANSAN TEXTILE」としてファブリック商品を展開。
岩室勝也さん/ボーンチャイナで知られた洋食器の「鳴海製陶株式会社」勤務。
吉田かな子さん/傘やスカーフなどで知られた「ムーンバット株式会社」勤務。


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