投稿

5月, 2018の投稿を表示しています

第10回 富士山テキスタイルプロジェクト スタート!

イメージ
とうとうこの時期がやってきました! 今年度の富士山テキスタイルプロジェクトがスタートです! 今年は な、なんと、、、10周年!!! 鈴木マサル先生をはじめ 富士吉田や西桂の機屋さん、学生たちの積み重ねてきたものを振り返り 感慨深いムードでプロジェクトがはじまりました。 今年は機屋さんと学生のコラボレーションに加え、 10周年記念のイベントを企画しています! 高須賀活良先生の気合の入ったプレゼンに、学生たちも身が引き締まる思いです! そして今回は、学生9名×機屋さん9社 で進めていきます! 活気にあふれる一年になりそうですね! まずは参加学生の作品を見ていただきます! 大学院2年の八代真帆さんは、様々な織組織で円を表現しています。 複雑な組織に機屋さんも興味深々です! 今回初参加、大学院1年の一松岳くんは 着なくなってしまったデニムを解体し、糸に戻してから 再び新しい服やプロダクトに形を変え展開していく作品を制作しています。 只今一松くんの卒業制作の作品は、 東京造形大学内のマンズー美術館にて開催されています ZOKEI賞選抜作品展 でもご覧になれます! 大学院1年の藤川稔也くんは点を集積させた緻密な柄を提案しています。 点一つ一つを手描きでデザインし、シルクスクリーンプリントで表現した作品です。 そして機屋さんと学生の打ち合わせが始まります! シケンジョの五十嵐さんも交えて和やかな雰囲気です! 今回初参加、学部3年の松本夏海さん! 昨年ペアの小野さんが見守る中、緊張しながらも打ち合わせに夢中です! そして、2回目の組み合わせとなるペアがいくつかあります! 去年から積み上げてきた企画を更にブラッシュアップし 完成度の高い仕上がりになるのではないでしょうか! 期待大です! ここから学生たちは各自機屋さんに訪問し、製品を仕上げていきます! 10周年イベントも含め、今年の富士山テキスタイルプロジェクトは 今までに

こいのぼりなう! 須藤玲子×アドリアン・ガルデール×齋藤精一によるインスタレーション

イメージ
みなさん必見、 須藤玲子先生の「こいのぼりなう!」が只今、絶賛開催中です! 今回は須藤先生と Rhizomatiksの 齋藤精一さんによる スペシャルトークの様子も交えてご紹介いたします! まずは会場いっぱいに泳ぐ319匹のこいのぼりにうっとり。。。 それぞれ異なる生地で構成されており、 319種類のテキスタイルを楽しむことができます! 近くでじっくり見る人、クッションでくつろぎ眺める人、 こいと一緒に流れに身を任せ歩く人。。。 会場にいる一人一人にゆっくりとした時間が流れます。 そして、みなさんお待ちかね、 須藤玲子先生と Rhizomatiksの 齋藤精一さんによる スペシャルトークショー! 今回のトークテーマは 製品や素材、技術がいったいどこで、どのように、どんな人が作っているのかを 伝えられるもの作りをしていくことが大切なのではないか。 と、ものづくりの本質についてお話してくださいました。 須藤先生は日本各地の埋もれてしまっている地場産業に直接足を運び見つけ出し、 そこでデザイン、ディレクションを手がけたテキスタイルを世に発信されています。 そういった試みや技術に心掴まれた斎藤晴一さんは 「消えそうになっている考え方であるとか、技術とか、 なくなってしまってはいけないものを積極的に見つけに行きたい」と, 地場産業の紹介映像を制作されています。 とても素敵な映像に、みなさん見入ってしまいます! こちらは NUNO のホームページでも見ることができます! 定員をはるかに超える来場者数で、会場はとっても賑わっていました! 会場奥には体験コーナーがあります!  ここではこいのぼりに使われている布を実際に手に取り、 それぞれにつけられているタイトルや産地の情報を知ることができます! こちらでは布を生産する上で用いられる道具や素材を見ることもできます! ここではワークシートを使い、手軽にオリジナルこいのぼりの制作が楽しめます!

授業紹介 〜染め特集!〜

イメージ
長かったGWも終わり、 前期の授業がさらに盛り上がって来ました! 帰省していた学生や、1週間も旅行に行っていた学生もいて、 みなさん充実していたようです。 今回は染め特集です! 1、3年生の染めの授業をご紹介します〜 こちらは1年生の初めての糸染めです!  みんな作業着に個性がありますね〜 酸性染料を使用して、ウールを染めていきます。 糸染めは温度管理が大事です! 染料も助剤もきちんと測ります! いざ糸を染めていきます! 思った色に染められたでしょうか・・・?  とても真剣な眼差しです。 この色糸で、カラーサンプルを作り、今後の制作に役立てていきます!  続いて、1年生の絞り染めの授業です。 今回は板締め絞りという技法にチャレンジします。 これは、様々な形に折りたたんだ生地を板で圧力をかけて、 防染してパターンを出していきます。 どんなものになるのか、1年生にとってはまだまだ未知です・・・ この授業では絞り染めか板締めで浴衣を1反染めあげていきます。 とてもシンプルな技法ですが、とにかく根気が必要です! みんな最後まで頑張ってほしいです! こちらは3年生の色糊捺染という東京造形大学の特徴的な授業です。 この授業は、昨年度まで助手をしていた 吉本悠美 さんが、 今年度から非常勤講師になり、初めての授業です! 糊に染料を混ぜて、布に直接、柄をかいていきます。 染料の段階ではどんな色に染め上がるのか、全然予想ができないです・・・ 柄をかく道具によっても布の表情が変わります。 3年生では、1、2年生のときに学んだことから、染めと織りに分かれ、 各々の専攻でさらに発展的なことを学びます。 学期末にどのような作品を見ることができるのか!とても楽しみです。 岸本

楮覚郎さんの藍染物語

イメージ
 Buaisou.のワークショップ会場で。右から:楮覚郎さん、須藤玲子先生、渡邊健太さん(2017.4 東京・中目黒) 楮覚郎 かじかくお さん 楮さんは、東京造形大学テキスタイルデザイン専攻の卒業生です。 2011年3月の卒業で、震災のために卒業式はありませんでした。 青森・八戸出身の楮さんの実家に大きな被害はなかったものの、お祖母さんの海辺の小屋が流れてしまったという話を記憶しています。 卒業制作 彼の卒業制作は大作でした。  彫刻専攻の学生との共同出品で、左が楮さんの作品「毒と薬」(H193×W143×D90㎝/木、サイザル麻、柿渋) 柿渋で染めた1本の麻ロープを大きな箱の穴にひたすら通し続けた力作は、織物の構造が端的に表されていていながらも、織ることを拒否した作品ということもできます。また、制作にかけた膨大な時間は、“つくる”ということへの根本的な問いかけだったのかもしれません。 貝紫染 卒制ではアートな作品を制作した楮さんでしたが、彼は入学した時から藍染をやると決めていたようです。 学生の時も、一貫して天然染料にこだわっていました。 例えば、3年生のときに自主的に研究した貝紫染があります。 そのレポートによれば・・・雑誌の古本で見つけた貝紫の小さな記事に惹かれ、ちょうどその頃に「奇跡が起こった」。つまり、授業で八王子の産業センターに行くと、偶然、そこに貝紫の記事を書いた染織家がいて、貝紫染めをやりたいという気持ちを伝えると、後日、ご自宅で教わることができた・・・というのです。 さっそく自分で貝紫染に挑戦です。しかし、大量に必要とする貝の入手先を先生から教えてもらうことができなかったので、自力で探すことになりました。新潟漁連、富山漁連と電話して、石川漁連で1つの水産業者を紹介してもらいます。 そして、36kgの貝が届きました。 アカニシ貝(レポートの写真から) 染料の取り出し(レポートの写真から) 早朝から貝を砕く作業を始め、砕いた貝から取り出したパープル腺を容器に集め、日光の紫外線で紫色に変わったものが染料の基。教わった直説法ではなく、あえて還元法に挑みました。 レポートの最後には、「骨の折れる作業、強烈な悪臭などから、2度とやる