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2015年学外卒業制作展「縁」レポート 後編その2

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学外卒業制作展「縁」展示レポート 後編 続きです! 最後は布作品の見せ場でもあるスロープの作品のレポートです! 5m以上の作品を吊ることができるこのスロープはスパイラルならでは! 吊るすだけで一気に迫力の増すこの場所は、毎年、布作品を作る学生からの人気が高い場所です。 では順に作品をみていきます! 細かな点と線で描かれた不思議な世界が広がるファブリックパネルの作品。作者が無意識のうちに手が動いて描いていたという微細な模様は、絶妙な青で染められた背景がより一層、その世界を引き立てています。 「ファブリックパネル」 丸形美和 こちらは蝶の翅の鱗粉をモチーフに織られた作品。 実在する蝶からインスピレーションを受けた色合いと細かなピンタックにより、思わず手で触れてみたくなるような鱗粉を表現しています。 「Butterfly Wings - Iridescent Scales -    蝶の翅の構造 - 翅の鱗粉 - 」 飛矢崎栞 こちらは石をモチーフに染められた作品。 スクリーンの型の上から作者が一つ一つ丁寧に染料をのせることにより、味わいのある仕上がりです。本物の石のように日常生活にそっと溶け込むような佇まいの作品です。 「石並べ」 水上絵里 こちらは毛皮の表情をモチーフにした作品。 一本一本植えるように描かれた線の連なりにより、見る側の想像力をかき立てられる作品となりました。 「far:fur」朝野るりか そして作品紹介ラストです! プリントのリピートを呼吸のリズムとして捉え、スクリーンプリントで表現した作品。 エッチングによって描かれた線の密度と色の重なりをコントロールすることによるグラデーションで、生命のエネルギーを表現しています。 「 呼 吸 」 吉本悠美 これにて「縁」展示レポートは終了です。   各々の個性が爆発だった今年の卒業制作展はいかがでしたでしょうか。 新4年生は現在来年のスパイラルに向けて日々制作活動に励んでいます。 来年はどんな作品たちが出来上がってくるのでしょうか。 乞うご期待ください〜! 次回は始まり出

2015年学外卒業制作展「縁」レポート 後編その1

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東京造形大学テキスタイル学科の恒例行事、南青山スパイラルで開催された2015年度学外卒業制作展「縁」の展示レポート 後編 いきます! (前編はこちら→ http://zokei-textile.blogspot.jp/2015/04/2015.html  ) スパイラルホールにビッシリと埋まったテキスタイル作品。天井が高い展示空間なのでテキスタイル作品にとても合う場所です。 さあ、展示物も見て行きましょう! アトリウム入り口を飾った妖精の暮らしたいという小さな時からの願いを、シャギーの手織りものを使って表現した作品 なんともキャッチーで愛らしいこの作品は作者の作品への愛が随所にわたって感じられるほど丁寧につくられています。 お子様人気ナンバー1な妖精さんたちでした。 「花の妖精さん」 中村美保 こちらはスクリーン枠の上で捺染を施して染められた着物作品。 この技法でしか表現できない流動的な色の流れが浴衣の形ともマッチしていてとても綺麗です。 「地の衣を身に纏う」 牛田利沙 こちらは羊毛を使用した立体作品。 無縫製でつくられた独特な形により、皮膜が失われていく過程と、儚さ、不完全な美しさが表現されています。 「脱皮破膜」 勝間田美月 棒針で編まれている貝をモチーフとしたストールの作品。 三角形のパーツを螺旋状に繋げて重ねることにより平面から立体へと変化します。 螺旋がつくるねじれにより、身に付けると首元でそれぞれ違った表情のフリルを演出します。 「Seashells」時田知奈美 和紙の原料となる楮を使用し、伝統的な紙漉きにより技法を用いた立体作品。 淡々とした繰り返し作業から生まれた和紙とは異なる魅力を持った構造体からは、迫力のスケール感とは裏腹に木漏れ日のような温かな光を感じられます。 「こもれび」 高橋育実 スクリーンプリント、捺染、着色防染、目糊防染、リトグラフなど様々な技法をふんだんに詰め込んだ布の作品。 作者自身で作成した絵本から飛び出してきた世界観を持った愉快な布からは、布を使うこと触れることの楽しさなど、テキスタイルの魅力を存分に感じられる作品です。