“やっぱり私は赤が好きです”
福岡で「鈴木マサルのテキスタイル展」が開かれています。九州で初めての展覧会です。 テーマは、 “目に見えるもの、すべて色柄” しかし、会場に入ると、テーマは、 “色” にあるのではないか、と感じます。 会場には、色にまつわる鈴木先生の想いを綴ったカードが置いてあり、自由に手にすることができます。 カードは、RED、ORANGE、ROSE、YELLOW、GRAY、BLUEの6色。暖色系が半分以上です。 鈴木先生は、その「RED」のはじめに、 「1番好きな色は何ですか?と聞かれたら迷った挙句にきっと『赤』と答えてしまうのだと思います」 と語り、最後に、 「やっぱり私は赤が好きです。多分、1番」 と締めくくっています。 会場の壁には、鈴木デザインの“色柄”がペイントされていて、さらに、床のパンチカーペットにもオリジナルの“色柄”が施されています。 展覧会のDMに、 “今回会場内にある、目に見えるものすべてを色柄で埋め尽くしてみました” と書いた鈴木先生は、さらに、こう書いているのです。 “この展示は私の決意であり、プリントテキスタイルの希望でもあります” と、そして、 “前を向いて、身の回りに色、柄を” この意気込みはDMにも表れていて、 2つ折のDMを開かないと情報なほとんど見えない、そればかりか、開いた片側には“色柄”だけ・・・ 会場は、もちろん赤だけではありません。 “これまで発表してきテキスタイルや傘、ラグ、ファブリックパネルなど約100点を用いて空間を構成” しています。 会場は隅々まですべてが鈴木マサルデザイン。 空間が、まさに色柄で満たされています。 圧巻、です。 構成は考え抜かれ、念入りに準備され、丁寧に仕上げられています。 テキスタイル(布)の左右の耳はカットされ、さらに、色布で裏張りされています。 布の“余白”が徹底的に排除されているのです。 その結果、すべてが、壁も床も含めて、一体となって空間をつくりあげているのです。 目に見える白は、余白ではなく、それは白という色なのです。 “前を向いて、身の回りに色、柄を” 会期:2017年12月9日(土)〜2018年1月14日