丹後のテキスタイルと卒業生

松屋銀座のデザインギャラリーで開催された「Tango Twist-糸と織のリズム」(10/14-11/9)は、
須藤玲子先生が企画した「日本海に面した丹後半島で生産された美しい絹織物の展覧会」です。


(日本デザインコミッティ ホームページより)

300年の伝統をつなぐ丹後産地には、現在も1000軒ほどが絹織物にか関わっているそうです。
その内の8社が織った独創的で美しいテキスタイルが、7階のデザインギャラリー1953を飾りました。




初日に会場で、田勇機業株式会社の田茂井勇人さんと安田織物株式会社の安田章二さん、
そしてテキスタイルデザイナー須藤玲子先生の「デザインサロントーク」が行われ、
須藤先生が丹後に通う中で見つけた産地独特の道具や荷物を運ぶシステムなどを紹介、
産地のお二人は伝統の撚糸や織物、自社の製品の特徴などを話し、すてきな時間が流れていました。


お話しされた田茂井さんの会社に、2014年3月卒業の岸本有希子さんが勤めています。
下の写真は、会場に展示された社長田茂井さんの写真と製品です。




(NUNOのFacebookより)


後日(11/4)、出張で東京に来ていた岸本さんの話を聞くことができました。
学外授業として学生といっしょに会場に行き、岸本さんから丹後産地の特徴や、
展示の織物のデザイン、組織、糸などの見所について、一つひとつ丁寧な解説がありました。
















岸本さんが勤める田勇機業株式会社の織物は、そのデザインや設計に岸本さんが携わったとのこと。
卒業して1年と少しですが、その頼もしいほどの成長には本人の努力と周囲の方々の支えがあるのでしょう。

岸本さんは丹後出身です。
卒業制作は丹後の海と、海の見える丹後の景色を織物にしました。


左:「overlap」 1600×700㎝ リネン・コットン・シルク いんれい技法・ほぐし織
右:「wabe」 1800×700㎝ リネン・コットン いんれい技法

“卒業後もテキスタイルをつくる現場に立っていることが何よりも嬉しい”
という岸本さんの言葉に実感がこもっていました。

後輩たちがその言葉を胸に刻み、岸本さんの後に続くことを期待します。
岸本さんありがとう。がんばってください。

大橋


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